経済・ビジネス

「脱炭素」と「安定供給」に引き裂かれる2022年の国際エネルギー情勢

2022年1月7日

昨年後半から一気に顕在化した世界同時多発的エネルギー価格高騰の行方が注目される。気候変動政策の今後については、6月のドイツG7サミットでの議論に着目すべきだ。また中間選挙を迎えるバイデン政権の気候変動・エネルギー政策を始め、中国のエネルギー情勢、中東情勢、ロシアの動向が2022年も重要なポイントになる。

   2021年は、加速化する脱炭素化の潮流に加えて、エネルギー価格高騰に関連した問題が国際エネルギー情勢を揺るがせた。原油、天然ガス・LNG(液化天然ガス)、石炭、電力など全てのエネルギー価格が国際市場において、あるいは欧州や中国などの主要地域・国において、需給逼迫の下で同時多発的に高騰する、という未曽有の出来事が世界を揺さぶったのである。

 このエネルギー価格高騰の発生前は、世界のエネルギー問題に関連しては、気候変動問題、あるいはカーボンニュートラルを目指す政策・取組みに集中的に焦点が当たる状況が続いていた。しかし、エネルギーが市民生活や経済活動に必要不可欠の物資であるため、その価格高騰と著しい需給逼迫は、エネルギー安定供給確保の重要性を世界的に改めて再認識させる明白な契機になった。

 その点、2022年においても、エネルギー価格高騰の行方とその影響については要注目である。以下では、エネルギー価格高騰の中でも、原油、天然ガス・LNG、電力市場の問題に焦点を当てて論じてみたい。

予想されるブレント原油の平均値は70ドル前後

 まず、原油価格については、昨年10月後半から11月にかけて80ドルを大きく超えて高騰したところから、現時点では70ドル台に戻っての推移となっている。石油需要面では、オミクロン株の影響と世界経済の帰趨次第で再び需要が弱含む可能性もあるが、基本はOPECプラスの生産調整が原油価格の下支え役を果たし続けるものと考えられ、2022年のブレント原油価格の平均値は70ドル前後となり、プラスマイナス10ドルの変動幅の推移と予想される。コロナ禍の悪化や世界経済の停滞、さらには米国シェールオイルの増産などが重なる場合には平均値が60ドル前後になる低価格のケースや、逆に世界経済の順調な拡大の下、OPECプラスが高価格志向を強めたり、中東情勢の流動化や主要産油国での供給支障発生などが生じたりする場合には平均値が80ドル前後になる高価格のケースも考えられる。……

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