政治

対ロシアで「ドイツは信頼できない同盟国か」(2022年1・2月-2)

2022年2月28日

ウクライナ危機にあたって欧州側ではフランスを中心に対ロ「戦略的自律」アプローチも模索された。ただ、その結束は広がらない。特に俎上に載せられたのはドイツの融和姿勢だ。なぜ、欧州の大国ドイツはここまで安全保障で弱いのか。その社会的、歴史的理由に様々な論考が提出された。

*『ウクライナを切り裂くパワー・ポリティクスの刃(2022年1・2月-1)』はこのリンク先からお読みいただけます。

2.危機で混乱するヨーロッパ

 ウクライナ危機が、すでに見てきたように冷戦後の欧州安全保障秩序の再編を促す性質のものだとすれば、欧州諸国がどのような対応をするかが重要な意味を持つであろう。ブレグジットによってEU(欧州連合)から離脱してより大きな行動の自由を得たイギリスや、「戦略的自律」としてアメリカとは異なる対外行動の必要を繰り返し説いてきたフランス、そして政権交代によって今後の外交の方向性がまだ確立していないドイツと、それらの欧州主要国の行動が危機の行方にも影響を及ぼすであろう。

   とりわけ、ウクライナ内戦をめぐりドイツとフランスが中心的な役割を担って、一時的な停戦を求める「ミンスク合意」を締結したゆえに、独仏両国政府の対応は重要な位置を占めている。

■実在しない脅威を言い募る「藁人形論法」

 イギリスの首相ボリス・ジョンソンは、国内政治で世論からの厳しい批判を浴びながらも、ウクライナ危機で積極的な役割を担おうとしている。そもそもイギリスは、欧州諸国の中でもプーチン政権のロシアに対して最も強硬な立場であった。……

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