政治

歴史上初めて「弱いドイツ」を恐れるポーランドのウクライナ戦争

2022年4月20日


<span>歴史上初めて「弱いドイツ」を恐れるポーランドのウクライナ戦争</span>

民族的な親近性や歴史的経験への共感に加え、ウクライナはポーランドにとって対ロシアの緩衝国としての役割を果たす。欧州安全保障の最前線となったポーランドの抱く危機感とNATOへの提言を、ジャーナリスト・三好範英氏が同国外交専門家に聞いた。

   ウクライナへのロシアの侵略により、ポーランドは戦場と隣り合わせの欧州安全保障の最前線に立つことになった。米軍の追加派兵を受け入れ、ウクライナへの北大西洋条約機構(NATO)の重要な補給拠点ともなっている。ポーランドがかねて示してきたロシアに対する厳しい脅威認識にNATO全体の認識が近づくことも含め、欧州の安全保障における同国の比重は増すことになるだろう。

   筆者は3月30日~4月9日、ポーランド南部クラクフ、国境の町プシェミシル、首都ワルシャワを訪問して、ウクライナ避難民の現状を取材するとともに、安全保障問題を中心にポーランド人外交専門家の話を聞いた。

ポーランドとウクライナの安全保障は不即不離

   ポーランドはウクライナ独立(1991年)を世界で初めて承認し、第2次世界大戦中のウクライナ独立運動に関して対立する歴史認識問題(ウクライナ蜂起軍によるポーランド人の虐殺事件などがある)を抱えるものの、独立直後からウクライナのNATO、EU(欧州連合)加盟希望を支持し続けてきた。2014年のロシアによるクリミア併合の際も多数の難民を受け入れるなど、ウクライナの最大の後ろ盾となってきたと言っていいだろう。

   それは民族的な親近性や、ともにロシア(ソ連)の支配下に置かれた歴史的経験への共感に加え、ウクライナがポーランドにとってロシアの緩衝国としての役割を果たす地政的位置にあることが大きい。仮にウクライナがNATO、EUに加盟すれば一番心強いが、そうでなくとも、独立を保ち、親西側路線を取る経済的にも安定した国になってくれることが、ポーランドの安全保障にとって死活的な重要性を持つのである。……

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