今、国民の最大の関心事は物価上昇だろう。現在の円安進行という状況に大きな変化がない限り、少なくとも物価の上昇は“来年央まで続く”というのが筆者の見方だ。物価の状況と上昇要因を分析しながら、その理由を説明していこう。
10月17日の衆議院予算委員会での参考人意見陳述で、日本銀行の黒田東彦総裁は物価の見通しについて、「年末にかけて上昇率を高める可能性が高い。(中略)来年度以降の消費者物価は2%を下回る水準まで低下していくと予想している」と述べている。
この発言はミスリードとは言わないまでも、“非常に上手な言い逃れ”だ。物価の低下時期を「来年度以降」として、明言を避けている。極端な話、それは再来年度かも知れず、「きっと、いつかは」と言っているのと変わらない。それだけ、現状の物価上昇は急激だということだ。
そこで、日銀の「企業物価指数(旧卸売物価指数)」と総務省の「消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)」を分析してみよう。……