経済・ビジネス

またしても「お付き合い」で始まる半導体国策プロジェクト「ラピダス」

2022年11月22日

名を連ねた8社はいずれも、成果が生まれるとは思っていないはずだ。そもそも半導体を「安く買う」側のトヨタが利益を求める株主として拝まれる不思議な利益相反もまかり通る奉加帳。半導体の歴史に、官僚が革新を生んだ例はない。

「Only the paranoid survive(偏執症の者=パラノイア=だけが生き残る)」

 半導体、いやビジネスに関わる者で、この言葉を知らない人はいないだろう。米インテルの創業メンバー、アンディー・グローブの言葉である。革新に次ぐ革新、投資に次ぐ投資によって発展してきた半導体産業において、インテルの創業者、ゴードン・ムーアが遺した「ムーアの法則(集積回路上のトランジスタの数は2年で倍になる)」と並ぶ二大セオリーとなっている。このセオリーを無視した「国策プロジェクト」が、またしても始まろうとしている。

本音は「あくまで、お付き合い」

 新たな国プロの名前は「ラピダス」。トヨタ自動車、NTT、ソニーグループ、NEC、デンソー、ソフトバンク、キオクシアの7社が各10億円ずつ、三菱UFJ銀行が3億円の計73億円を出資し、経済産業省が「ポスト5G基金事業」として700億円を補助する。

 資本金と補助金はあくまで「種銭」と考えても、800億円足らずでは、あまりに少ない。お隣、台湾の半導体ファウンドリー(製造会社)、TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)の2021年の設備投資は300億ドル(約4兆2000億円)、研究開発費は44億ドル(約6200億円)である。……

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