「Only the paranoid survive(偏執症の者=パラノイア=だけが生き残る)」
半導体、いやビジネスに関わる者で、この言葉を知らない人はいないだろう。米インテルの創業メンバー、アンディー・グローブの言葉である。革新に次ぐ革新、投資に次ぐ投資によって発展してきた半導体産業において、インテルの創業者、ゴードン・ムーアが遺した「ムーアの法則(集積回路上のトランジスタの数は2年で倍になる)」と並ぶ二大セオリーとなっている。このセオリーを無視した「国策プロジェクト」が、またしても始まろうとしている。
本音は「あくまで、お付き合い」
新たな国プロの名前は「ラピダス」。トヨタ自動車、NTT、ソニーグループ、NEC、デンソー、ソフトバンク、キオクシアの7社が各10億円ずつ、三菱UFJ銀行が3億円の計73億円を出資し、経済産業省が「ポスト5G基金事業」として700億円を補助する。
資本金と補助金はあくまで「種銭」と考えても、800億円足らずでは、あまりに少ない。お隣、台湾の半導体ファウンドリー(製造会社)、TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)の2021年の設備投資は300億ドル(約4兆2000億円)、研究開発費は44億ドル(約6200億円)である。……