社会

LIBOR不正操作事件に巻き込まれた日本人元トレーダーの「逆転人生」(下)

2023年8月21日


<span>LIBOR不正操作事件に巻き込まれた日本人元トレーダーの「逆転人生」(下)</span>

2012年6月に発覚したLIBOR不正操作事件では、日本人の元トレーダーも共謀・電信詐欺などの訴因で米国大陪審に起訴されたが、今年7月に起訴が取り下げられた。そもそも法的根拠が薄弱だったこの事件で個人を立件すること自体が無理筋であり、米欧当局の壮大な「でっち上げ」に多くの人が巻き込まれた可能性が否定できない。(前編はこちらからお読みいただけます)

 

 当局に摘発された本村哲也氏(51)の元同僚や他の金融機関の元トレーダーは、それぞれ過酷な境遇に直面していた。ある者は米国の陪審裁判で有罪評決が下され、禁錮刑が科された。またある者は母国オーストラリアで逮捕された後、米国に引き渡され、そこで有罪答弁をして収監された。本村氏と同じく、自国にとどまり、国際指名手配されている者も数人いた。

 それが2017年、潮目が変わり始める。米国で禁錮刑を言い渡されていた本村氏の元同僚の英国人トレーダー2人が控訴した結果、2人とも有罪判決が取り消されたのだ。2人は英国でも捜査対象となり、その過程で証言を強制されていた。米連邦控訴裁は、そうした証言が米国の裁判でも使われたことについて、憲法修正第5条(法の適正な手続き規定)に反すると判断した。

 英国内でLIBOR事件の「首謀者」とされていた、スイスの銀行大手UBSと米シティグループの各東京支店を渡り歩いた英国人元トレーダーのトム・ヘイズ氏も、英刑務所での11年に及ぶ刑期(LIBOR事件関連では最長)のちょうど半ばに差し掛かった2021年に釈放された。ヘイズ氏は米国でも起訴されていたが、2022年にその起訴も取り下げられた。……

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