プロンプトによって欲望を視覚化するプロセスには、「考える」時間が差し挟まれる余地はない。インスタ写真に添えられる大量のハッシュタグ、あるいは事細かなカテゴリー分けがされていくポルノとも通底する「表面的語句」の強力な作用は、画像生成AI(人工知能)の設計思想の根幹にも及んでいる。「バーベンハイマー」画像のおぞましさは、プロンプトを入力した者がなにひとつ考えず、感じないままだというところにある。
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過日「Barbenheimer(バーベンハイマー)」というインターネットミームが物議を醸した。Barbenheimerとは「バービー」と「オッペンハイマー」から生まれた造語である。米国で大ヒット中の映画『バービー』のキャラクターに原爆のキノコ雲などを合成した画像が大量に作られ、各種SNSにポストされた。なぜバービーにキノコ雲なのか。『バービー』と、原爆を開発した物理学者を描いた映画『オッペンハイマー』が同日公開されたからだ。
ポストされたBarbenheimer画像について映画『バービー』の米国公式アカウントが好意的に返信したことに対し、日本で反発が広がった。日本で配給を担当するワーナーブラザースジャパンは謝罪し、米ワーナー本社に対応を求めた。これを受け、米ワーナー本社も「配慮に欠けたソーシャルメディアへの投稿を遺憾に思っている。スタジオより深くおわびする」との謝罪文を報道機関に出した、というのが顛末である。……