10月30~31日、中国で中央金融工作会議が開催された。金融工作会議は、約5年に一度のペースで開催され、その時点における金融を巡る重要事項についての対処方針を決める重要会議である。今回は2017年以来、6年ぶりの開催となる。
このタイミングで、金融工作会議を開催する最大の趣旨は、金融リスクの防止と解消のための対応方針を決めることにあった。中国では不動産不況が長引いており、大手不動産デベロッパーの経営危機が相次いで表面化している。また、不動産不況や景気低迷のあおりを受けて地方財政が悪化し、地方債務問題が深刻化している。いずれも、金融システムを揺るがしかねない問題だけに、この時期に議論する意味合いは大きい。本稿では、中央金融工作会議のコミュニケや最近の政府の政策動向を踏まえ、中国が金融リスクの防止と解消にいかに取り組もうとしているのかみていきたい。
党の指導・統制強化を象徴する「中央金融工作会議」
まず、象徴的だったのは、今回の金融工作会議の名称と主催主体が変わったことだ。これまでは、「全国金融工作会議」という名称で国務院が主催していたが、今回は、名称を「中央金融工作会議」と変更したうえで、党が主催した。
習近平国家主席は、2012年11月に党総書記に就任後、「党政軍民学、東西南北中、党是領導一切的」(党・政治・軍事・民間・学界、東西南北中部、全てを党が指導する)と発言、その後、あらゆる分野での党の強化を進めてきた。経済分野についても、国務院ではなく党指導を強化する施策が次々実施されてきた。……