いまだに「震災での外国人の犠牲者数を誰も把握していない」という事実に衝撃を受けたルポライター・三浦英之氏は、そうした人々が異国の地で生きた証を取材し、一冊の本にまとめた。「震災を書く」とはどういうことか。同じく震災を取材し続けるジャーナリスト森健氏が、決して容易には手に入らないその答えの輪郭を、三浦氏新刊『涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―』の中に手探りする。
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どんなものを書いていますかと聞かれることがある。政治、科学、社会問題などさまざまあるが、答えにためらうものが一つある。震災だ。
実のところ、東日本大震災については、広く関わってきた。発災の年だけでなく、現在に至る13年間、毎年さまざまなテーマで取材を行ってきた。水産業と暮らし、原発の廃炉作業、災害公営住宅の居住者の減少、発災時の首相や復興庁高官へのインタビュー……。……