鎖国下の江戸時代、日本独自の数学文化「和算」が華ひらく。天才和算家・関孝和のベルヌーイ数発見のような、世界にさきがけた業績がなぜ生み出されたのか。『江戸の天才数学者:世界を驚かせた和算家たち』(鳴海風著/新潮選書)から一部を抜粋・再編集して江戸流イノベーションの謎に迫る。
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素性不明の大数学者
日本独自の和算文化を、数学としても世界に通用するレベルまで押し上げた最大の功労者は、やはり関孝和(せきたかかず)だろう。
没後「算聖(さんせい)」と称えられ、その名を冠した「関流」は、和算最大の流派として、明治初期にいたるまで日本の数学発展の中心に位置していた。そして、没後300年以上を経た今日でも、孝和の数学は世界の人々を魅了し、多くの数学者の研究対象となっている。……