バリケードを開放、未除染の森林で活動可能に
東京電力福島第一原発事故から14年後の現在も高い放射線量が残り、立ち入り禁止とされる土地がある。福島県浜通りの被災地では、新しい街が形作られ「復興」の装いが進むが、その裏手に計309平方キロの「帰還困難区域」が広がる。しかし、個人の安全管理の上で立ち入りを自由化しようという自民党の提言が、政府の復興基本計画に組み込まれた。地元の声を踏まえたとするが、同区域で最大の面積を占める浪江町津島地区の住民たちは、国と東電に「ふるさとを返せ」と全域除染を求めて裁判を戦っている。その控訴審が大詰めを迎える中、原告らは、政府の方針は「除染の責任を放棄し、原発事故に幕引きをするもの」と異議を訴える。
帰還困難区域への立ち入り自由化は、自民党の東日本大震災復興加速化本部(谷公一本部長)が6月4日に石破内閣に提出した「復興加速化のための第14次提言」に含まれる。福島の被災地を焦点に「次期復興・創生期間に向けた具体策」(2026~31年度)として、原発処理水の海洋放出の完遂、除染土の県外最終処分に向けた再生利用促進などとともに、以下のような“復興策”を打ち上げた。
1. 従来のような「区域」の立ち入り規制でなく、地域の実情に応じた放射線防護対策の取組みを柔軟に講じ、バリケ ードを開放するなど制限の緩和を行う。
2. 個人の安全確保を大前提に、森林整備をはじめとする活動を再開していく。周辺住民の原発事故前の暮らしを回復できるよう活動の解禁を進めることを検討する。 ……