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Vol. 8

発がん性物質「PFAS」最新情報 「血液検査」で基準値超の人がやるべき対策とは

2026年6月6日


<span>発がん性物質「PFAS」最新情報 「血液検査」で基準値超の人がやるべき対策とは</span>
血液検査からは体内にどれだけPFASが蓄積されているかがうかがえる

 日本の「水」に新たな安全指針が生まれた。環境省は今年4月から、全国の水道事業者らに対して、水道水におけるPFASの検査実施および基準を遵守する義務を課した。自然界には存在せず分解されにくいため“永遠の化学物質”と呼ばれるPFASは、約1万種類ある有機フッ素化合物の総称である。水などを介して人間の体内に入ってしまえば、臓器に蓄積されて様々な健康被害を招くとされる発がん性物質だ。これまでPFASは、全国各地の河川や地下水などで検出される度に深刻な水道水の汚染が問題視されてきた。多発する「PFAS汚染」から我が身を守るためには、まず危険な化学物質がどれだけ体内に蓄積されているかを把握すること。その一丁目一番地とされる「血液検査」の実態に迫った。

ようやく水道水にPFAS規制スタートでも「日本の安全基準は見直すべき」

 PFASといえば、今年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪でも話題となったことをご記憶の方もいるだろう。男子スノーボードのパラレル大回転で、日本人選手が使うボードに塗られたワックスにPFASが含まれていたことが「ルール違反」とされ、失格となってしまった一件である。PFASは撥水性にも優れた特性を持つことから、かつてはウィンタースポーツ用品などを製造する際に欠かせない化学物質だったが、今や欧米では“人体に有害”として徹底的に駆逐。すでに日本を含め先進国のほとんどで製造・使用が禁止されているのだ。

 そうした世界的な動向を受けて、ようやく今春から日本でも水道水に対するPFASの安全基準が見直され、すでにミネラルウォーターなどもPFASの検査・基準値遵守が法的に義務化されている。具体的な水質基準について、東京都水道局の公式サイトでは<PFOS及びPFOAを「水質基準項目」とし、基準値としてPFOS及びPFOAの合計として50ng/L以下であることと規定>と記されている。ここに書かれた2つの聞きなれないアルファベットの名称はPFASにおける主要な化学物質を指すが、<50ng/L>という「基準値」については<50ng/Lの水道水を1日2L、生涯にわたって摂取しても、健康への影響が現れない濃度として設定しています>と解説している。はたして、これをもって国のPFAS対策は万全といえるのだろうか。

「日本における水道水の安全基準は見直すべきだと考えます。水道水の基準である50ng/Lという値は、欧米なら10年前の水準。より厳しい基準を課す国が出てきています」

 と話すのは、PFAS研究の第一人者である京都府立大学大学院生命環境科学研究科(食環境安全性学研究室)の原田浩二教授だ。

「すでにアメリカでは水道水の基準として4ng/Lという値を設定していますが、これを日本に当てはめてしまえば、おそらく国内にある浄水場の1割以上が基準値を超えてしまう。すべての浄水場がすぐには対応できないと思います。アメリカでも2031年までに達成しようという値ですので、日本でも、中長期的であっても、減らしていくという考え方が必要です。そもそも日本はPFOAとPFOSという2種類のPFASを合計した基準値ですが、水道水にはそれ以外のPFASも含まれます。欧米ではそれらも含めた上での基準を作っていますから、日本でもPFASの対象を2種類に限らず、より範囲を広げることも視野に入れた厳しい基準作りが求められるのではないでしょうか」

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