カルチャー

【特別コラム】近代という「神話」の終焉(1)崩壊しつつある近代

2021年9月18日

 

 1789年にフランス革命が勃発した頃、イギリスでは産業革命が進行していた。それは、「ヨーロッパの世紀」のはじまりを意識させた時代の幕開けだった。

 フランス革命では、自由、平等、友愛という近代の理念が高らかにうたいあげられ、イギリスでは資本主義的な市場経済が定着していく。個人を基盤にした市民社会が生まれ、それまでの領主制に代わって国民国家が生まれていった。この国民国家では共和制がひかれ、代議制民主主義が確立していく。

 この時代のヨーロッパは近代社会のかたちをつくりだしていったのである。後にこの陣営にアメリカが加わり、欧米の時代が展開されていくことになる。

 今日の世界は、この延長線上にあるといってもよい。自由、民主主義、個人を基盤にした社会、さらには国民国家や国民という概念が生まれたのもヨーロッパ近代から、である。真理は科学によって明らかにされるという精神の習慣が定着し、近代の理念や合理主義的な精神が社会を支配した。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する