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【駐日イラン大使インタビュー】私が日本を仲介役として期待する「これだけの理由」

2026年6月9日


<span>【駐日イラン大使インタビュー】私が日本を仲介役として期待する「これだけの理由」</span>
ペイマン・セアダット駐日イラン大使

米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が大詰めを迎えている。焦点となるのは60日間の停戦延長案だが、そんな状況下、対米同盟を抱えながら原油供給の不安に向き合う日本は、どのような役割を果たせるのか。ジャーナリストの吉田賢司氏が、駐日イラン大使に聞いた。

日本政府は我々との接触に非常に積極的

 米国は、停戦延長などを盛り込んだ「覚書」に、両国が暫定合意したと主張。トランプ大統領も、両国による“二重封鎖”状態にある原油輸送の要衝・ホルムズ海峡について「ただちに開放されなければならない」と投稿した。対して、ペイマン・セアダット駐日イラン大使は、以下のように語る。

 現在、イラン側が提示している60日間の停戦案は、2段構えになっています。第1段階はMOU(覚書)で、ここに盛り込まれているのは戦後処理に関する項目です。具体的には、戦争そのものを恒久的に終わらせること、そしてホルムズ海峡を開放すること。このMOUは1ページ14項目からなるものです。

 米国とイラン双方の指導部がこれに合意すれば、次の段階へと移ります。そこで初めてイランの核、そして海外で凍結・差し押さえされているイラン資産の解放について、正式に協議することになります。

 ホルムズ海峡の状況は、日本にとっても死活的な問題でしょう。ですが、これに関してはかなりの誤報や勘違いがなされています。

 まず理解して頂きたいのは、ホルムズ海峡には、いわゆる公海は存在しないということ。そこにあるのは、イランとオマーンの領海です。そして、米国が2月28日にイランへの攻撃を始めて以来、この海峡は戦場に変わりました。

 米軍は、イラン周辺国の領空や領土を使って我々を攻撃しました。ホルムズ海峡の側からも攻撃を行った。イランは沿岸国であり、同海峡に領海を有する国。そのイランが、自国と地域の安全を確保するために「コントロール下に置く」という措置を取るのは当然です。

 状況は根本的に変わりました。したがってイランの行動は、慣習国際法上も認められるものです。

 いま米国が行っている海上封鎖は違法です。なぜならそれは国際水域でなされているからです。国際水域は国際法の管轄に服するものであり米国の管轄に服するものではありません。

 こうした理由から、海峡を完全に開放することは不可能でした。4月にいったん停戦が合意された際にも、米国とイスラエルは合意の一部に違反しました。今回も、まさに交渉が行われている最中の5月25日、米国はイラン南部を攻撃しました。我々は当然、対応せざるを得なかった。

 メディアでは「封鎖」という言葉が躍っていますが、実際には多くの船舶が安全に海峡を通過しています。出光丸もそうです。開戦後、ホルムズ海峡を通過した最初の日本の原油タンカーである出光丸は、最近、日本の港に到着したと報じられました。ほかにも、日本に関係する複数の船舶が安全に航行しています。

 日本のような国とは、我々は調整を行います。優先順位をつけ、商船が海峡を通過できるようにする。出光丸も、イラン側との調整に基づいて通過したのです。ただ、これは時間のかかる作業です。何より、商船が敵性船舶と誤認されて標的にされないよう、民間と軍当局とが密に連携しなければならないからです。

 日本は、イランとコンタクトを取り合ってきた国々の一つです。日本政府、そして外務省は、我々との接触に非常に積極的です。仲介に関しても活発に動いており、特に現在の交渉で中心的な役割を果たしているパキスタン側とのコミュニケーションは、非常に評価されるべき外交努力だと思います。

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