特集|教育

Vol. 6

【早稲田アカデミー】目まぐるしく変わる中学受験情勢、問われる情報分析とプランニング

2026年7月18日


<span>【早稲田アカデミー】目まぐるしく変わる中学受験情勢、問われる情報分析とプランニング</span>

早稲田アカデミー教務本部長の竹中孝二氏によれば、このところ中学受験における「志望校選び」が多様化しているという。保護者側と学校側、それぞれの変化と最新の動向について聞いた。

保護者側のニーズの多様化に対応し、個性を打ち出す中堅校

 20年前、我が子の中学受験を考える保護者からすると、偏差値表の序列や高校・大学への進学実績、いわゆる「御三家」などの伝統校であることなどが受験先を選ぶ上での主な判断基準で、学校の中身を知る術も限られており、ある種、ブラックボックスのようにベールに包まれたところがありました。

 しかし、コロナ禍を通じて学校側の発信力が飛躍的に高まりました。「3密」を避けるため学校見学ができない代わりに、デジタルパンフレットや動画配信、ホームページの充実が進み、在校生がSNSで生の声を発信するケースも増えました。

 そして何より、保護者の方々の情報収集力と子どもに合った学びの場を見抜く目が高まっています。口コミなどで正確な情報を集めている人が多く、個別面談でも「うちの子に合う学校はどこですか?」といった漠然とした質問は減りました。「うちの子は○○の部活をやりたいと言っているのですが、この学校は強いんですよね?」「我が子にこんな風に6年間(付属なら10年間)を過ごさせたいのですが、この学校ならぴったりの環境ではないでしょうか」と、各ご家庭のニーズに沿って学校の「中身」を重視した質問が増えており、偏差値が学校の良し悪しを決めるものではないという認識が随分と広がりました。

 ご家庭のニーズの多様化を象徴するように、ここ数年で大きく受験者を集めている学校がいくつもあります。まず、すぐに名前が挙がるのが山脇学園(東京都港区)です。充実したグローバル・理系教育や高い現役大学進学率、そして時代に即したICT(情報通信技術)教育などが評判を呼び、急激に人気が高まっていて数年前のデータが通用しなくなっているため、過去問の合格最低点を見る場合は少し高めに見ていただくようにお伝えしています。

 大学付属化・系列化の動きも活発です。明治大学付属世田谷(東京都世田谷区、旧日本学園)は明治大学の係属校となり、約7割が内部進学できる学力水準を目指していることで注目を集め、今年の受験者数を見ると男子が減少したものの女子がその分増加しました。来年も受験形態を変更するという噂があり、さらなる人気の高まりが予想されます。北里大学附属順天(東京都北区、旧順天)も、医学部・獣医学部を含む全学部への内部進学の道が開かれたことで、今年の入試では5回全てで受験者が大きく増加しました。東京家政学院(東京都千代田区)が2027年4月より名称を法政大学千代田三番町中学校と変更して法政大学の系列となる、といった動きも注目されています。

 独自の取り組みや入試制度の工夫で伸びている学校もあります。例えば駒場東大前にある日本工業大学駒場(東京都目黒区)は、2021年に工業科の募集を停止して完全普通科に舵を切り、校内予備校のような進学支援システムなどの指導を行っていることが奏功、7〜8年前と比べて受験者が何倍にもなる極端な増加を見せています。東京都市大学付属(東京都世田谷区)は今年、Ⅰ類(難関国公立・私大向け)、Ⅱ類(最難関国公立大向け)のコースを一つに統合したことや午後受験の科目の選択肢を増やしたことなども含めて昨対比で大幅に受験者を集めており、特に2月1日午後の入試は難関校の併願先として人気です。また、文教大学付属(東京都品川区)は丁寧な生徒指導など面倒見の良い学校として評価され、今年の増加割合で1位を争うほど伸びています。

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