政治

揺れる世界最強の「モサド」:前首相のポピュリズム支える

2021年6月25日

国家生き残りのための諜報機関のはずだが、前首相は大幅に増強したそれを自らの政権浮揚に利用し続けた。そして前首相の退任――その存在は逆に国家のリスクになりかねない。

 イスラエル右派政党「リクード」のベンヤミン・ネタニヤフ党首がこのほど、首相を退任した。

 ポピュリズム的な手法のネタニヤフ前政権。12年間の長期政権を維持できた一因に、対外秘密情報機関「モサド」による数々の秘密工作を成果として宣伝したことが挙げられている。

 モサドの正式名は「情報特殊工作機関」。そのうち「機関」を意味するヘブライ語からモサドと呼ばれる。要員数は1980年代末、1500~2000人と推定されていたが、前政権下で増強され、現在約7000人と言われる。

 実はモサドは、自由民主主義を旨とする「基本法」の枠外に置かれ、法的制約を全く受けない。国会(クネセト)の監督もない。情報と秘密工作の最前線で国家を守る特別な組織とされているのだ。長官の任命や秘密工作の決定など、権限はすべて首相が握る。……

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