経済・ビジネス

米シェール企業「巨額のヘッジ損失」で陥りがちな「誤解」とは

2021年7月11日

2020年春の油価暴落後、21年受渡しの先物でヘッジした米シェール企業が軒並み巨額損失を出している。ただし、それを業績の悪化と理解するのは早計だ。一方、サウジとUAEの対立で暗礁に乗り上げたOPECプラスは、協議再開の目処が立たない。

 米シェール企業の多くが巨額のヘッジ損失を出している、と『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報じている(2021年7月8日「OPEC ‘gets a pass to lift oil price’ as hedging losses hobbled US shale」)。だから「OPEC」(石油輸出国機構)は油価上昇の許可証(pass)を手に入れたのだ、と。

   米エネルギー部門編集長のデレック・ブロウワーが書き、本社エネルギー部門編集長のデービッド・シェパードが手を入れた体裁の記事で、筆者は「なるほど」と首肯した。だが、この記事は「誤解」を招くリスクも包含している。商品相場などで行っている「ヘッジ」の本質を理解していないと、シェール企業が「大損」をしたので開発生産活動を低下させざるを得なくなった、と読んでしまうかもしれないからだ。

 実は、重要なポイントは別にある。そもそも「ヘッジ」とは何か?  検索してみると、次のような説明文があった。

〈株式・商品・外国為替(かわせ)などの取引で、相場の変動で生ずる決済時の損失に備え、先物(さきもの)で売買しておくこと〉……

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