米シェール企業の多くが巨額のヘッジ損失を出している、と『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報じている(2021年7月8日「OPEC ‘gets a pass to lift oil price’ as hedging losses hobbled US shale」)。だから「OPEC」(石油輸出国機構)は油価上昇の許可証(pass)を手に入れたのだ、と。
米エネルギー部門編集長のデレック・ブロウワーが書き、本社エネルギー部門編集長のデービッド・シェパードが手を入れた体裁の記事で、筆者は「なるほど」と首肯した。だが、この記事は「誤解」を招くリスクも包含している。商品相場などで行っている「ヘッジ」の本質を理解していないと、シェール企業が「大損」をしたので開発生産活動を低下させざるを得なくなった、と読んでしまうかもしれないからだ。
実は、重要なポイントは別にある。そもそも「ヘッジ」とは何か? 検索してみると、次のような説明文があった。
〈株式・商品・外国為替(かわせ)などの取引で、相場の変動で生ずる決済時の損失に備え、先物(さきもの)で売買しておくこと〉……