カルチャー

連載小説:裂けた明日 第17回

2021年8月21日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

大宮駅で下車し、宿を探す信也たちに声をかけて来た客引きの男。民泊まで案内してもらう道すがら、東京周辺の街の様子を聞くが――。

[承前]

 客引きは答えた。

「物を売っている店なら。だけど、食べ物はあんまり衛生的じゃないかもしれない。そういう意味かい?」……

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