経済・ビジネス

CCSで島国日本の「不利な現実」に出口はあるか

2021年8月2日

CO2を地下の地層などに圧入する「CCS」は、カーボンニュートラル(2050年排出ネットゼロ)実現の切り札と期待される。だがCO2の輸送や貯蔵面での課題解決が前提な上、日本にとっては「適地」がないという大きな問題も明らかだ。枯渇した油田・ガス田という「適地」を持つ産油国の今後の動きに注目だ。

「枯渇した油ガス田が将来、資産価値の高いアセットになるかもしれないな」

Monster problem: Gorgon project is a test case for carbon capture」と題する『フィナンシャル・タイムズ』(FT=2021年7月26日)の記事を読みながら、元上司が呟いていた言葉を不意に思い出していた。

 タイ国エネルギー省高官との面談等を終えた夜のナイトキャップを楽しみながら、翌朝帰国予定のK社長がポツンと洩らされたのだ。前後の文脈は覚えていない。時は2007年、バンコク中心部「スコタイホテル」のバーラウンジでのことだった。

 当時「気候変動問題」は今ほど脚光を浴びていなかった。前年公開のドキュメンタリー映画『不都合な真実』でアル・ゴア米元副大統領が年末にノーベル平和賞を受賞した年だが、京都議定書の「失敗」もあり、さほど重要視されていなかったのだ。ましてや「CCS(二酸化炭素回収・貯蔵)」技術が注目されることはなかった。したがって、K社長の慧眼に筆者がどう応えたのか、まったく記憶にない。……

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