経済・ビジネス

イノベーションは、ひとりの善良な意志が地球規模の課題に向き合うことからスタートする

2021年9月21日


<span>イノベーションは、ひとりの善良な意志が地球規模の課題に向き合うことからスタートする</span>
自動運転車開発に挑戦したセバスチャン・スラン氏には、親友を交通事故で亡くすという原体験があった(セバスチャン・スラン氏=中央=の公式Twitter @SebastianThrun より)

GAFAはいまや、民間企業でありながら世界の公共投資を担う存在にもなったと言える。だがその始まりには常に、大きな課題に強烈な使命感と底抜けの明るさで向き合った、たったひとりの個人がいる。数の本質が一桁違うインターネットの時代、そして環境破壊や拡大する格差といった地球規模の問題を抱えるこの時代に、自分と世界を結ぶアジェンダをどう作るか。

 前回は、「改革のフリ」ばかりでなかなか変われないままでいる間に日本の衰退が進行した、という話をした。一方、私自身が実際にグーグルで働いた経験や、アップル、アマゾン、マイクロソフト(MS)などと直接関わってきた経験を踏まえて述べると、グーグルを始めとしたGAFAやMSの人たちは世の中を本気で変えていく知恵とエネルギーにあふれている。毎年投じている研究開発費も桁違いで、「フリ」ではなく「ノリ」が良い。

 その結果、デジタルやクラウドの時代をリードして世界中の人々に新たな利便性を次々に提供してきた。民間企業でありながら世界人類のために公共投資を続けているような存在でもある。今や我々の日常でグーグル検索やグーグルマップを使えないとか、アマゾンで買い物ができなくなると大きな支障をきたすことになるだろう。

 今回のコロナパンデミックにおいても、グーグルはAI(人口知能)を使って感染状況を予測するサービスを逸早く公開した。2011年3月11日の東日本大震災の時にも「パーソンファインダー」という行方不明者を探すためのサービスを直後に公開した。本来であれば国や自治体が提供するような公共サービスを公的機関に成り代わって提供しているのだ。

 グーグルには、人類が地球規模で抱えているような諸問題に対し「自分たちがテクノロジーで解決するぞ!」というようなスケールの大きな使命感を持った人たちがたくさん在籍していた。そして、このような人たちがその使命感に突き動かされて昼夜を問わず猛烈に働き続けることでさまざまなイノベーションを生み出してきた。……

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