経済・ビジネス

日本企業が知らない「Wisdom of Crowds」をエンジンにするGoogleの「働き方」

2021年10月25日


<span>日本企業が知らない「Wisdom of Crowds」をエンジンにするGoogleの「働き方」</span>

どのようなビジネスに取り組むのであっても、企業の成長エンジンは「Wisdom of Crowds(集団の叡智)」をおいて他にない。それを飛躍的に伸ばせるインターネット時代の可能性を、GAFAは最速かつ的確に捉えてきた。グーグルが「働き方」に浸透させたコアバリューと、これに対する日本企業の誤解を検証する。

 前回は、実際にグーグルで働いたり、あるいはアップル、アマゾン、マイクロソフト(MS)などと仕事を通じて直接関わったりしてきた経験を踏まえて、「GAFAやMSの人たちは世の中を本気で変えていく知恵とエネルギーにあふれている」と述べた。では、彼らは実際どのような働き方をしているのか。今回は、筆者が経験したグーグルの働き方について具体的に紹介したい。

「凡庸な企業にはならない」というこだわり

 グーグルの働き方についてお話しする前に、かつてのソニーについて少しだけ触れておきたい。というのも、筆者にとってのグーグルの第一印象は、「なんだかグーグルって昔のソニーみたいだな」というものだったからだ。それで、グーグルに入社した直後に、ソニー創業者の一人である井深大の書いた設立趣意書をあらためて読み返してみたりもした。

 終戦の翌年、1946年1月に井深がしたためた設立趣意書に並ぶ自筆の文言はいかにも古めかしいが、内容は今でも斬新だ。特に「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」という人口に膾炙した一節や、「形式的職階制を避け、一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き個人の技能を最大限度に発揮せしむ」といった方針に込められたソニースピリットは、エンジニア天国といわれ次々にイノベーションを生み出すグーグルのスピリットにも大いに共通するものだ。

 グーグルの創業者たちは、2004年に同社をナスダックに上場する時に、ウォーレン・バフェットにならって株主宛のメッセージを発信した。その冒頭で「グーグルは普通の企業ではない。われわれはそれを目指さない(Google is not a conventional company. We do not intend to become one.)」と決意表明している。同様に、ソニーの設立趣意書の中にも「大経営企業の大経営なるがために進み得ざる分野に、技術の進路と経営活動を期する」との宣言があり、「われわれはその辺にある凡庸な企業にはならない」という似たようなこだわりを感じる。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する