カルチャー

連載小説:裂けた明日 第34回

2021年12月18日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

緊急の場合のため、信也たちは念入りに再集合場所を下見する。日本の現状を象徴するような街の様子が、三人の目に映る。

[承前]

 信也たちは昭和通りに近いファーストフードの店で昼食を取ったあと、またJR秋葉原駅に入って、内回りの山手線に乗った。繁華街ではない共同統治地域の様子を窓から見るためだった。

 やってきた電車は、けっこう混んでいた。これも間引き運転のせいだろう。街に活気があるせいではないようだった。……

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