経済・ビジネス

Netflix版『新聞記者』とソニーEVはどちらが「自由」の力を得ているか

2022年1月31日


<span>Netflix版『新聞記者』とソニーEVはどちらが「自由」の力を得ているか</span>

経営学をリードする論客、スコット・ギャロウェイはネットフリックスを「ディスラプターズ」(大変革者)の一つと位置付けている。GAFAやマイクロソフトに続く企業と、過去の延長から未だ抜け出せない日本企業では、未来のビッグピクチャーを活かす力に差があるのだ。

   今回は、年明けに注目を集めた一見まったく無関係な二つの事柄を切り口にして、世界の変化や日本の立ち位置について考えてみたい。一つは、今月13日からネットフリックスで世界同時配信が開始された『新聞記者/The Journalist』という日本の政治スキャンダルを題材としたドラマだ。もう一つは、毎年年初に米ラスベガスで開催される家電ショーCES(Consumer Electronics Show)でソニーが発表した「EV(電気自動車)事業に本格参入する」という話題だ。

サブスク会員が1ドルで手に入れる「10億ドルの価値」

   米調査会社が発表した2021年第4四半期の米国内におけるSVOD(Subscription Video On Demand)市場調査によると、会員数トップはネットフリックスで、2番手がアマゾンプライムビデオ、3番手がフールー(Hulu)からディズニープラスに入れ替わった。世界全体ではネットフリックスの会員数は昨年10月19日の段階で2億1360万人と発表されているが、アマゾンプライムも昨年4月の株主レターで会員数が2億人を超えたと報告されている。日本ではアマゾンの方が会員数は多いが、コロナ禍での巣ごもり需要の後押しもあってネットフリックスも会員数を大きく伸ばし、動画配信市場は全般的に追い風だ。

   ネットフリックスでは、出来合いの米ハリウッド映画を拾ってきて限定10カ国に配信していたような初期段階はとうに脱して、各国で独自制作したオリジナルコンテンツを世界190カ国以上の国と地域に、それぞれの言語による字幕や吹き替え付きで同時配信する段階に移行している。国や地域によるコンテンツ制作手法の違いや視聴環境の差を吸収して世界規模で高品質かつ均質な映像と音声を提供するため、撮影から仕上げまで多岐の項目にわたる技術ガイドラインを定めているが、これはパートナーヘルプセンターというサイトで公開されていて誰でも見られる。いわば世界中の制作現場を「どこでもハリウッド」にする手段の一つだ。

   また、詳細はあまり公開されていないが、会員の視聴データも大規模に収集してコンテンツ制作やレコメンドエンジンに活用 しており、デジタルやAIをフル活用してコンテンツ制作のスタイルを次世代型へと大きく変容させた。……

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