経済・ビジネス

世界を本当に変えた日本人経営者を挙げるなら:「新しい資本主義」を疑え(前編)

2022年2月28日


<span>世界を本当に変えた日本人経営者を挙げるなら:「新しい資本主義」を疑え(前編)</span>

逃げない姿勢、時代認識、世界観――経営リーダーにはこの3つの素養が求められる。企業を通じて世界を変えるのがディスラプター(大変革者)だとすれば、その名誉はGAFAが独占すべきものではない。「新しい資本主義」のスローガンが独り歩きするこの日本で、本当に新しい価値と理念を生み出したといえる経営者は誰なのだろうか。前編と後編に分けて「新しい資本主義」とは何かということについて向き合ってみる。

   全10回の予定で始まったこの連載も今回で9回目を迎えた。編集部から、『2030年の経営者たちへ』などという大それた連載タイトルをいただき、おこがましくも自分自身の体験に根差したまことに勝手な意見や見解を書き綴ってきた。

   激変が続く世界における日本の埋没を直視した上で、その現実を好転させるための視点や行動のヒントを提供することを常に念頭に置いてきたつもりだが、話題がGAFAやマイクロソフト、テスラ、ネットフリックスなど米国発のディスラプターズ(大変革者)に偏りがちだったかもしれない。しかし、テクノロジーが主導する大変革の源流に目を向けるとどうしてもそうなってしまう。

   一方、今後は老若男女を問わず、我々日本人も再奮起してニューノーマル時代を牽引する側で国際的プレゼンスを高めるような活躍を目指したい。そんな思いで、今回は私が個人的に尊敬する三人の日本人経営者のことを振り返りながら彼等からの学びを綴ると共に、「新しい資本主義」について考えてみたい。

「デカルトとニュートンのパラダイムを壊せ」と大喝した井深大

   まずはソニーを創業した井深大と盛田昭夫だ。最近、大学などで若い人達に向けて講演するような機会に、井深大や盛田昭夫の名前や写真を出しても、もはや知っている人はほとんどいない。すっかり歴史上の人物になってしまった。……

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