カルチャー

北朝鮮が「わかりやすい宣伝扇動」で強化に乗り出す若年層の「集団主義」

2022年5月14日


<span>北朝鮮が「わかりやすい宣伝扇動」で強化に乗り出す若年層の「集団主義」</span>
6年ぶりという新作芸術映画『一昼夜』のタイトル画面(『朝鮮中央テレビ』より、以下同)

『トップガン』ばりのミサイル発射動画や6年ぶりの劇映画新作公開など、金正恩党総書記が映像メディアを駆使した宣伝扇動を繰り広げる。「共感」で道徳や集団主義を刷り込む背景には、特に若い世代で社会主義への懐疑が広まっていることがあると見られる。

 北朝鮮の国営テレビで放送される映像が、最近、やたらと凝っていると話題になっている。また、6年ぶりという新作劇映画が製作されて平壌で試写会が開かれ、全国で上映されると報じられた。北朝鮮においてテレビや映画は国民を統制する有力な手段である。新たな動きは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の指導によるものであるのは間違いない。その狙いはどこにあるのだろうか。

「テレビ部門で成果」と称賛

 2022年3月24日、北朝鮮は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)とする「火星17」を発射し[1]、翌日、『朝鮮中央テレビ』がその模様を約12分の動画にまとめて放送した。

 動画は、金党総書記が腕時計に目を落としたあと顔を上げるという、明らかに演出と思われるカットもあった。また、スローモーションを多用し、サスペンスドラマに使われるような音楽で発射に向けた緊張感を煽るなど、入念な編集ぶりがうかがえる。日本など海外では、『トップガン』のような米映画を模倣したなどと揶揄されたが、少なくとも、北朝鮮の人たちには斬新な印象を与えたことだろう。

 この動画の放送からまもない3月28日、金党総書記は朝鮮労働党の「第1回宣伝部門活動家講習会」の参加者に書簡を送り、……

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