世界の自由開放社会で、最も大量の機密文書を抱えているのは、明らかに米国政府だ。
最高機密である「トップシークレット」の「取り扱い資格(セキュリティ・クリアランス)」を持つ者は85万人を超えている(『ワシントン・ポスト』)。首都ワシントンの人口の約1.5倍にも達するほどの人員だ。
情報漏れを防ぐためにこれらの資格保持者には、非常に厳密なルールが課せられている。
ある情報機関で分析官をしている筆者の旧友は、機密を解除された文書を使って作成した博士論文を就職前に大学に提出。筆者はその内容を記事にするため文書を借りた。1~2年後、筆者が数十枚のその文書を返そうとしたところ、分析官の友人は「要らない」と言って、筆者にくれた。彼は情報機関の研修を受けたばかりだった。機密が解除されていても、「解除」のスタンプが押されていないと違法所持を疑われる場合もあり、厄介な機密文書など持たない方がいい、と考えたようだ。……