5月27日で満100歳となったヘンリー・キッシンジャー元米国務長官。彼は単なる外交の「泰斗」では終わらない。戦略家として、バランスを旨とする世界観をバックに、豊富なインテリジェンスを駆使して、表と裏を巧みに使い分け、歴史の舞台を取り仕切ってきた。
その上彼は、欧米が「封じ込め」を図るロシアのウラジーミル・プーチン大統領や中国の習近平国家主席ら世界の指導者と今なお親交の「ネットワーク」を維持している。
後述するが、キッシンジャー氏はウクライナ問題の根本的解決につながるカギも提示していた。現在の欧米の指導者にはスケールの大きい識見を持つ者は見られない。広島の主要7カ国首脳会議(G7サミット)でそれを露呈したが、確かな出口戦略もないまま、ただウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領の要請に従い、巨額の軍事・経済援助を続けてきただけに過ぎない。
だがキッシンジャー氏には今の指導者にはないグランド・デザインがある。……