FA権を得た大谷翔平の去就に注目が集まっている。日本球界の至宝は6シーズン、メジャーでプレーしているが、まだプレーオフ進出を果たせていない。20代最後となる来季は、ポストシーズンで快音を響かせる大谷を目にしたいと願うのは、日米ファンの共通した思いであろう。
押しも押されもせぬ2023年のホームラン王に触手を伸ばす球団は、いくらでもありそうだ。右肘内側側副靭帯損傷により、来季は二刀流を諦め、打者に専念することとなるが、是が非でも、これまでより上のステージでプレーすべきだ。ワールドシリーズの舞台で、心行くまで、ベースボールを楽しんでほしい。
さて、大谷の活躍、そして彼の成績に一喜一憂する日本人の姿を見る度に、筆者が思い起こすのはメジャー全30球団で永久欠番となっている背番号42である。1947年、ロサンゼルス・ドジャースの前身、ブルックリン・ドジャースにメジャーリーグ史上初となる有色人種が登録された。その彼――ジャッキー・ロビンソンが付けていたのが、42番だった。
今日、大谷翔平がメジャーリーガーとして富を得、世界最高峰のベースボールを体感できるのは、ロビンソンが人種の壁を破ったからこそである。黄色い肌を持つ我々ジャパニーズは、米国において“カラード(有色人種)”と括られ、少なからず差別の目を向けられる。筆者は1996年から13年半、アメリカ合衆国ネバダ州で生活し、現在も1年の3分の1ほどをカリフォルニア州サンディエゴで過ごしているが、白人との間にはどうしても越えられない壁があることを実感させられる。……