カルチャー

和鏡が映すこれからの日本

2025年5月5日


<span>和鏡が映すこれからの日本</span>
鏡は身だしなみを整える「道具」でもあり、三種の神器の一つにも数えられる「神具」でもある(以下、写真はすべて山本晃久氏提供)

2024年のインバウンド消費(訪日外国人旅行消費額)は初めて8兆円を超えた。日本の伝統文化は海外からの旅行客を惹き付け、大きな経済的利益も生むようになったが、その継承には様々な困難も生じている。Culpedia代表・徳永勇樹氏が、縁の下で日本の伝統を支える人々にインタビューする。第1回は京都の「鏡師」山本晃久氏。

 

山本晃久 鏡師。昭和50年生まれ。大学卒業後、国内では数少ない古来製法による手仕事で和鏡・神鏡・魔鏡を製作する山本合金製作所に入る。祖父山本凰龍に師事し、伝統技法を受け継ぎ、神社仏閣の鏡の製作や修理、博物館所蔵の鏡の復元に携わる。

「三種の神器」から日用品まで

徳永 まずは日本における鏡の歴史についてお伺いします。

山本 最も古い時代の日本の鏡は、古墳の副葬品として見つかっています。最初は中国大陸から伝わったものを日本人がまねをして作っていましたが、平安時代になると「和鏡」と呼ばれる日本独自の意匠が生まれます。ただ当時は、化粧道具というよりも神事や儀礼に使うものが中心でした。

 桃山時代から江戸時代にかけて形状が多様化し、持ち手付きの手鏡や四角い鏡が登場、日常的にも使われ始めました。そもそも「鏡」という漢字の部首が「金偏」であるように、材質は基本的に銅合金です。今のようにガラスやプラスチックで作られる鏡が普及したのはずっと後のことです。……

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