カルチャー

「模倣」で読み解くポピュリズムと権威主義

2021年5月22日


<span>「模倣」で読み解くポピュリズムと権威主義</span>
自由民主主義という「唯一の規範」はなぜ没落したのか。

 1965年にブルガリアに生まれた政治学者のイワン・クラステフは、首都ソフィアの「リベラル戦略センター」理事長、オーストリア・ウィーン「人間科学研究所」の常任フェローという肩書を持つが、研究者としてよりもむしろ、政治コラムニスト、文明批評家として、欧州で最も注目を集める人物である。

 ある政治現象を、一見突飛なものと比較しつつ、特徴を浮き彫りにする。古今東西の文化や芸術になぞらえ、スラブ文学に特徴的なブラックユーモアを交えて描く。

 その手法の鮮やかさは以前から欧米の研究者やジャーナリストの間で有名だったが、『アフター・ヨーロッパ』(2018年、庄司克宏監訳、岩波書店)、『コロナ・ショックは世界をどう変えるか』(2020年、山田文訳、中央公論新社)と、邦訳が近年相次ぎ、日本でも広く知られるようになった。

 このようにアカデミズムの本流からやや離れて評論活動を展開してきたクラステフが今回、米アカデミズムの中心であるシカゴ、プリンストン、ニューヨーク各大学の教授としてリベラリズムや旧東欧の自由化を研究してきたスティーヴン・ホームズとともに著作を編み、それが早速翻訳された。『模倣の罠 自由主義の没落』(立石洋子訳、中央公論新社)である。……

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