アフリカ市場にはゲーム企業が本格的に参入する好機が訪れている[モバイルゲームを楽しむアフリカの若者](筆者提供)
世界最後の成長フロンティア――アフリカ・ゲーム市場の構造と可能性
世界のモバイルゲーム市場が成熟フェーズに入りつつあるなか、アフリカが次なる成長ドライバーとして浮上している。15億人超の人口のうち半数以上が25歳未満という若年層中心の人口構造に加え、スマートフォンの接続率も2023年時点で51%に達し、2030年には81%へと拡大が見込まれている。通信インフラも急速に整備が進み、サブサハラ地域では、2026年半ばには4Gカバレッジが3Gを上回る見込みだ。こうした端末・通信環境の進化が、アフリカのデジタル経済全体に構造転換をもたらしつつある。
20241107 Mobile Economy SSA 2024 拡大画像表示
アフリカのゲーム市場は、欧米や日本のようにコンソールやPCゲームを経由することなく、いきなりスマートフォンが主戦場になった(売上の90%はモバイルゲーム)。これは、以下の三つの構造的要因によって裏付けられている。
第一に、低価格スマホの普及である。中国・トランシオン 傘下のアフリカ市場特化型スマホブランド Infinix/TECNOなどが100ドル前後の端末を普及させたことで、RAM4GB以上・Android13対応といったミッドレンジスペックが普及した。加えて、ローカルブランドのSico Nile(エジプト)、Afrione(ナイジェリア)、Onyx Connect(南アフリカ)、OpenG(コートジボワール)、MaraPhone(ルワンダ)、等のローカルブランドも続々と立ち上がってきており、低価格スマホは急速に普及している。
第二に、通信コストの低さが挙げられる。英BestBroadbandDeals 社による統計では、2023年におけるナイジェリアでは1GBあたりのデータ通信料が平均0.39ドルと世界最安水準にあり、ユーザーが通信量を気にせずゲームをダウンロード・プレイできる環境が整っている。エジプトは0.65ドル、南アフリカ1.81ドル、日本は3.48ドル、米国6.0ドルとなっている。世界平均は2.61。アフリカ平均は3.64ドル。主要国の通信コストの絶対値の低さに加えて、通信費が年々大きく下がったことから、ゲーム等の通信を以前より利用しやすくなっている。……