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ワーナー買収戦「トランプ家、エリソン家、中東マネー」の胡乱な煌めき

2025年12月14日

 ハリウッドの老舗映画スタジオ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収をめぐって米メディア業界が激しい動きを見せています。Netflixによる買収で確定と思われたのも束の間、入札で競り負けたパラマウント・スカイダンスがより高い金額を提示して敵対的買収の開始を発表。事態の行方はまだ見えません。

 Netflixとワーナーが統合された場合、米国内における動画配信サービスのシェアは30%を超え、反トラスト法上の懸念があるとされています。ドナルド・トランプ大統領も「市場シェアの問題」を指摘し、政府による介入もありうると発言しました。ただ、事はそうした理解だけでは済みそうもなく、この買収劇の背後には様々なプレイヤーの思惑が存在すると見られます。

 まず、ワーナーはトランプ氏の大嫌いなリベラル系メディアであるCNNを傘下に持ちます。NetflixはこのCNNを買収対象に含めていないのに対し、パラマウントはCNNを含めます。つまり、パラマウントならばCNNの経営に関与できる立場です。そしてパラマウントのCEOはデービッド・エリソン氏、トランプ氏と親密な関係にあるオラクル共同創業者、ラリー・エリソン氏の息子です。

 パラマウントの買収資金集めには、トランプ氏の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏が大きな役割を果たしています。大口の資金の出し手はサウジアラビア、カタール、アブダビ、つまりクシュナー氏が米政府の外交でも重要な役割を果たしている中東マネーです。中東側からすれば、米国の文化に直接的な影響力を確保する足掛かりにもなるでしょう。……

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