<span>あなたの自由意思を蝕む、アルゴリズムと再帰的フィードバック</span>
wing-wing/Shutterstock.com

あなたはなぜそのYouTubeの動画を見たいと思ったのか。あなたが見つけ出した動画はなぜあなたの自由意思によって選んだと言えるのか。アルゴリズムが持つ「本質」に言及しながら、目の前の現実や未来、果ては自身の意思を蝕む「それ」を可視化する。

アルゴリズムの本質とは「予測」である

 SNS上で、人を意図的に怒らせたり不快にさせたりすることでアテンション(注意)を稼ぐ投稿やコンテンツに対して「レイジ・ベイト」(rage bait、直訳は「怒りを誘う餌」)という概念が生み出され、オックスフォード英語辞典を出版するオックスフォード大学出版局(OUP)が2025年の「今年の単語」に選び出したのは記憶に新しい。

 高市政権はレイジ・ベイトによって生み出された政権とも言えそうだが、レイジ・ベイト現象もまた、アテンション・エコノミーや監視資本主義、さらにはその土台となっているアルゴリズムの論理と密接に絡み合っている。

 私はここまで「アルゴリズム」という言葉をとくに説明せずに用いてきた。しかし、改めて「アルゴリズム」とは一体何であるのか、「アルゴリズム」のどこにその本質的問題があるのか、ここで少し足を止めて考えてみることにしよう。

 アルゴリズムとは、一言で言い換えれば「情報処理のルール」ということになる。しかし、これではほとんど何も言ったことにならない。現在のネット環境を規定するアルゴリズムの本質、それは「予測」である。私たちの行動を予測するアルゴリズムの台頭は、とりも直さずアテンション・エコノミーと監視資本主義の台頭とも深く結びついている。そしてそれは畢竟、現在も進行しつつある「人間の自動化(オートメーション)」とでも呼びうるプロセスの主な駆動要因ですらある。どういうことか。

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