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「半導体依存」「住宅価格高騰」の悪循環で李在明政権の支持率が低下、日韓関係にも悪影響の恐れ

2026年7月17日


<span>「半導体依存」「住宅価格高騰」の悪循環で李在明政権の支持率が低下、日韓関係にも悪影響の恐れ</span>
李在明大統領は、文在寅元大統領の流れを汲む与党内の強硬左派との対立も抱えている(ロイター)

李在明大統領の支持率は低下傾向が明確だ。6月の統一地方選後は低下ペースが加速。足元では小幅に戻しているものの、支持率と不支持率が拮抗している。与野党が続ける権力闘争への嫌悪感も無視できないが、経済政策の手詰まりが背景として大きい。李政権の住宅政策は需要よりも供給を抑え、それが首都ソウルでは却って住宅価格を押し上げている。AI半導体ブームに牽引された株高による資産効果も、住宅価格の上昇に打ち消されて消費のテコ入れには力不足だ。実用主義志向の李大統領の力が弱まれば、与党内で文在寅元大統領に近い強硬左派が勢いを増し、対日政策にも影響する可能性がある。

首都ソウルで野党の大統領候補に手痛い敗北

 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、昨年6月4日の就任以来、高い支持率を背景に、革新系与党「共に民主党」のイメージとは異なる産業競争力強化や株価押し上げを目指す政策も進めてきた。対日政策についても、就任前は革新系政権であるが故に厳しい姿勢への転換が懸念されたが、「実用主義」と称される現実的かつ合理的な判断に基づき、むしろ日本との経済や安全保障面での協力関係を強化してきた。

 そうした中で、就任からほぼ1年となる今年6月3日の全国同時地方選挙(統一地方選)では、日本でいう政令指定都市と都道府県にあたる「広域自治団体」の長について与党が16団体のうち12で勝利、前回の5地域から大幅に増加し野党「国民の力」と逆転した。市町村にあたる「基礎自治団体」の長についても、与党は前回の63からほぼ倍増の119で勝利、145から95へ減らした野党と逆転した。地方議会も「広域」「基礎」とも与党が野党を上回ったため、数の上では与党圧勝、李在明政権としては十分に合格点という結果だった。

 ただ、広域自治団体のうち最も重要なソウルの市長選では、投票日直前まで与党楽勝ムードだったところを、最終的に野党「国民の力」の現職、呉世勲(オ・セフン)市長に逆転勝利を許した。ソウル市の人口は930万人、韓国全体の2割近くを占めるうえ、呉市長は野党の次回大統領選の有力候補でもあり、与党にとってはただの1地域にとどまらない大きな敗北となった。

 さらに、同日行われた国会議員の補欠選挙は、与党にとって、より芳しくない結果だった。今回、対象となった14議席のうち、13議席はもともと与党の議席だったが、うち9議席しか守れなかった。与党が失った4議席のうち3議席は野党が奪い、残る1議席も無所属での出馬ながら野党「国民の力」の前代表、韓東勲(ハン・ドンフン)氏が勝利した。

 韓前代表は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の側近でありながら非常戒厳を糾弾したため、党から除名処分を受け無所属での出馬となった。ただ、今後は「国民の力」に復党し、呉ソウル市長と同様、次期大統領選の有力な候補になるのでは、との見方もある。これら二人の有力な大統領候補を生き残らせたことは、今回の選挙における与党の大きな反省点となった。

ソウルのマンション平均価格は1.7億円に

 李在明大統領にとって、より厳しい評価が示されたのは世論調査であろう。韓国の調査会社リアルメーターによると、大統領支持率は4月第3週の65.5%をピークに低下傾向にあり、地方選のあった6月第1週以降は低下ペースが加速、第3週には46.7%まで下落、一方で不支持率は49.7%へ上昇、初めて支持率と不支持率が逆転した。その後、支持率は6月第4週にかけて46.5%まで下落、7月第1週は47.0%、第2週は48.9%へ持ち直しているが、不支持率(47.7%)をわずかに上回るにとどまっている。

 筆者は李在明政権の1年間の成果と現地での評価を確認すべく、6月下旬にソウルへ出張した。出発時点では、地方選の勝利や株価の大幅上昇から高評価が聞かれることを予想していたが、ちょうど前述した6月第3週の世論調査の結果が発表されたタイミングだったこともあり、経済政策や政権運営に対して思いのほか厳しい指摘が多かった。

 まず、経済政策については、これまでの政権も苦心し支持率低下につながることも多かった不動産対策で、李政権もつまずいた。韓国では日本以上に首都圏への人口集中が激しく、人口減少下でもソウルの住宅価格は高騰が続いていた。そのため、李大統領は、投機的な不動産取引の制限により住宅価格を抑制すべく、住宅ローンの規制強化のほか、短期売買によるキャピタルゲインや複数の住宅保有に対する課税強化などを打ち出した。

 その結果、韓国不動産院が算出する全国平均の住宅売買価格は今年に入り上昇が一服しており、一定の効果があったのは確かである。ただ、大手不動産会社が公表するソウル市のマンションの平均売買価格は今年6月も上昇が続き、15.8億ウォン(日本円で約1.7億円)に達している。そのため、李政権の住宅政策は需要よりも供給を抑え、却って住宅価格を押し上げた、それがソウル市長選の敗北につながったという評価が現地では大勢だった。

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