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イスラエル「ソマリランド国家承認」の背景に中東と東アフリカ「連動するパワーゲーム」

2026年7月9日


<span>イスラエル「ソマリランド国家承認」の背景に中東と東アフリカ「連動するパワーゲーム」</span>
中東と東アフリカの連動性はさらに強まりつつある[イスラエルのヘルツォグ大統領(右)を訪問したアブドゥラヒ大統領(中央)=2026年6月14日、イスラエル・エルサレム](C)REUTERS/Ronen Zvulun

昨年12月、イスラエルは国連加盟国として世界で初めてソマリランドの国家承認に踏み切った。アデン湾を挟んでアラビア半島に対面するソマリランドは、イスラム主義や反イスラエル色が強い紅海沿岸には拠点作りが難しいイスラエルにとって、通商・安全保障上の要衝だ。イエメンのフーシー派を牽制する拠点としても重要な役割を果たしうる。同時期のイエメンで、アラブ諸国の中ではイスラエルと近いUAEの支持勢力が、サウジの支持勢力に攻勢をかけたことと呼応する意図もあったかもしれない。だが、イスラム圏諸国は「ソマリランド国家承認」に非難の声を上げている。

 6月中旬に、「ソマリランド共和国」のアブディラフマン・モハメド・アブドゥラヒ(イロ)大統領が、イスラエルを訪問した。同大統領は、5日間にわたるイスラエル訪問で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相をはじめとするイスラエル政府の要人との面談をこなした。これにともなって、エルサレムにソマリランドの「大使館」が開設され、テルアビブとハルゲイサを結ぶ直行便の開設といった民間ベースの事柄のみならず、安全保障上の協力関係の進展も含む内容の各種協定が取り交わされた。

 この動きが、今後どのような展開を見せていくのかは、予断を許さないところがある。いずれにせよ混乱が続く中東と、やはり紛争が多々起こっている東アフリカが、さらにいっそう連動していく動きには、注意を払っておく必要がある。

出所:編集部作成


「謎の独立国家」ソマリランド共和国

 「ソマリランド共和国」が何なのか、まず簡単にふれておこう。ノンフィクション作家の高野秀行氏の『謎の独立国家ソマリランド』でよく知られる「未承認国家」だ。1991年に独立宣言を行ってから、実態として独立国家と言える政治体を維持し続けている。国際的にはソマリア領内にある分離独立派の運動とみなされてきた。ただし、2025年12月にイスラエルが、ソマリランドを国家承認することを発表した。中東で戦争をし続けているイスラエルが、イスラム教徒の国であるソマリランドの承認に踏み込んだという点でも、波紋を広げた。

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