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トランプ大統領の発言とアクション(7月3日~9日):「値下げはトランプ政権のおかげ」アピールの虚実

2026年7月11日


<span>トランプ大統領の発言とアクション(7月3日~9日):「値下げはトランプ政権のおかげ」アピールの虚実</span>

一部の格安ガソリンスタンドの販促キャンペーンを「フリーダム・フュエル・ネットワーク」と称賛し、ウォルマートの値下げは「自分の要請に応じた」と誇るトランプ大統領の脳裏には、中間選挙に向けて一層悩ましいインフレ問題があるだろう。しかし、経済の実態はその「演出」を裏切っている気配が濃厚だ。6月下旬~末に最高裁が立て続けに示した判断は、政策の「執行と選挙戦の武器」を巡っては共和党が優位に立ち、「有権者アクセス」を巡っては民主党が優位に立つという、党派間で成果が分散した判決がそろったと言える。――トランプ大統領と政権キーパーソンから飛び出した発言を、ストリート・インサイツ代表取締役・安田佐和子氏がマーケットへの影響を中心に詳細解説。

インフレ押し下げ「演出」に走る

 ケビン・ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が深く影響を受けた経済学者ミルトン・フリードマンは、「インフレは議会を通さない課税だ」との言葉を残した。中間選挙を前に、自らイランとの戦端を開き、ガソリン価格をはじめインフレ加速を招いた張本人であるドナルド・トランプ大統領の脳裏に、この一節がよぎったとしても不思議ではない。

 トランプ氏は6月29日、ガソリン小売業者に即時値下げを要求した。WTI原油先物が6月24日に70ドル割れまで下落した反面、店頭価格の下がり方が鈍いというのがその言い分だ。スコット・ベッセント財務長官も翌日、「我々は見守っている」と追及する姿勢を示した【チャート1】。

【チャート1:WTI原油先物と全米ガソリン小売平均価格】

 トランプ陣営はこの圧力の成果を演出するため、ペンシルベニア州など一部地域で「フリーダム・フュエル」と称する格安ガソリンスタンド網を打ち出した。しかし実態は、既存店舗のごく一部(25店)の看板を貼り替え、赤字覚悟で値引きしただけの採算度外視の販促キャンペーンに過ぎない、と業界アナリストは指摘する。そもそも、原油高では店頭価格が素早く跳ね上がり、原油安ではゆっくりとしか下がらない「ロケットと羽根」と呼ばれる半世紀来の価格非対称性が存在する。大統領は価格を直接動かす手段に乏しく、圧力はパフォーマンスの域を出ないだろう。

アピールされる「好材料」はいろいろあるが……[ホワイトハウスによる動画「Freedom Fuel Network Gas Station Has Arrived」より]出所:The White House / YouTube

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