生命と知性の38億年の歴史を最新のAI(人工知能)研究と比較しながら辿り直し、「5つのブレイクスルー」が私たちの知性を発展させてきたことを解き明かしたマックス・ベネット著『知性の未来 脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか』。AI起業家である著者だからこそ成しえた壮大な試みを、進化生物学者の長谷川眞理子さんは「ヒトが進化の過程でどのように知性というものを獲得したのかを、自然科学で解き明かした名著」と高く評価する。
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AIというものが出てきて、今、世の中は混乱している。この登場を歓迎する人たちもいれば、大変なことになったと憂える人たちもいる。私は、どちらかと言えば後者だ。とても「歓迎」はできない。
人工知能と言えば、映画でも有名な『2001年宇宙の旅』(1968年公開)に出てくるHALという機械を始めとして、1960年代からSFの世界で考えられてきた。人間は、自分たちに代わって、もっと素早くもっと適切な判断をしてくれる存在を求めているのに違いない。宇宙の成り立ちから、自分自身の毎日の生活での幸不幸まで、それこそ「人知の及ばない」事柄はいくつもあるので、それに何とか対処する方法を求めるのが人間だ。これまでは、そんな頼みの相手は「神様」だった。それがAIに取って代わられようとしているのだろうか?……