※お二人の対談内容をもとに、編集・再構成を加えてあります。
小泉 今日はハドソン研究所の村野さんをお招きしまして、今のウクライナ戦争と核抑止の関わり、我々にとっての課題といったことをお話ししていきたいと思います。村野さんは日米を股にかけて核抑止や軍備管理、安全保障などを幅広く研究されています。
この戦争では後方からのミサイル合戦が非常に激しくなっています。つい先日アメリカのバイデン政権がウクライナに対し、ATACMSという射程300キロのミサイルをロシア領内に向けて使用しても良いという許可を出しました。それへの対抗策としてまずロシア側から11月19日に出てきたのは、いわゆる「核ドクトリン」と呼ばれる、核政策に関する文書のアップデートでした。
もう一つは11月21日、ロシアから大型の弾道ミサイルがウクライナに向けて発射され、東部のドニプロという街に落下しました。ロシア側の発表では「オレシュニク」という名前の中距離弾道ミサイルであるとのことですが、ウクライナ側では「ケードル」というミサイルだと言っています。正体ははっきりしませんが、どうやら射程は数千キロぐらいでICBM(大陸間弾道ミサイル)には及ばない、しかしかなり大きなミサイルを撃ったようです。このクラスのミサイルの実戦使用はおそらく人類史上初めてだろうと思います。
そこで村野さんに聞いてみたいのですが、今回のロシアによる弾道ミサイルの発射について、アメリカの戦略コミュニティとか政府の人たちはどう捉えているのでしょうか。……