医療・ウェルネス

ワクチン集団接種に臨む私たちが、必ず知っておくべき日本の「思考停止」 

2021年5月2日


<span>ワクチン集団接種に臨む私たちが、必ず知っておくべき日本の「思考停止」 </span>

ワクチン接種を強力に進めたイギリス、アメリカで新規感染者増にブレーキがかかり、米ファイザーはすでにワクチンの生産過剰を抱えている。一方、日本は、このままでは冬場の本格的流行を抑えるべくもない。世界の状況が変わり始めたいま、日本政府に必要なのは「勝負の3週間」などという空疎なスローガンで悲壮感を演出することではなくーー 

   新型コロナウイルス(以下新型コロナ)の感染が拡大している。本稿では、国内外での新型コロナ流行の状況を分析し、ワクチン接種を巡る国際競争の現状をご紹介したい。 
まずは、流行の現状だ。4月22日、1日あたりの世界の新規感染者は88万人を超え、過去最高を更新した。 

   日本でも感染が拡大している。4月25日、政府は東京と関西3府県を対象に、緊急事態宣言を発令した。第3波での緊急事態宣言の解除(3月21日)から35日での再宣言に対し、「油断によるリバウンド」との指摘が多いが、私はそうは思わない。なぜなら、世界の多くの地域で同時に感染が拡大しているからだ。世界中が一斉に油断したとは考えにくい。 

   私は、感染拡大には、変異株の拡大と季節性の変動の影響が大きいと考えている。前者については、改めて説明の必要はないだろう。 
後者の影響は、あまり論じられていないが、新型コロナ流行を予測する上で重要だ。簡単にご説明しよう。 

 

   まずは、図1をご覧いただきたい。国立感染症研究所が調査した季節性コロナウイルスの流行状況だ。新型コロナが流行する前から、日本では4種類のコロナウイルスが流行を繰り返していた。感染しても、軽い風邪で済むため、これまで重要視されておらず、その臨床像は明らかでない点が多い。季節性コロナの興味深いところは、風邪ウイルスなのに、冬以外に夏場も流行することだ。この調査では6月に感染のピークがある。 ……

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、私たちが「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する