米パイプライン大手コロニアル・パイプラインが身代金要求型ウイルス(ランサムウェア)攻撃を受け、5月7日にパイプラインを全面停止させた。その結果、航空会社の航路変更や米国各地のガソリンスタンドでの在庫切れの続出など、社会経済活動と国民生活に大規模な被害が出た。57年にわたる歴史上、同社がパイプラインの稼働を全面停止させたのは初めてである。
世界中で近年激増しているランサムウェア攻撃だが、コロニアル・パイプラインの備えはどうだったのか。
老朽化したVPNシステムが狙われた
コロニアル・パイプラインのジョセフ・ブラウント最高経営責任者(CEO)は6月8日の上院の公聴会で証言し、古いVPN(Virtual Private Network、仮想専用線)システムのアカウントのパスワードが盗まれ、攻撃者に侵入されてしまったと認めた。VPNは、外部から社内のネットワークに安全にアクセスするために通信を暗号化し、やり取りする情報の盗み見防止に役立つ。……