恩師・高坂正堯氏との出会い
高坂先生との出会いは、1982年のこと。私が京都大学の二回生の頃でした。大学入学時に経済学部に入った私でしたが、法学部に転部し、国際政治を学びたいと考えて高坂先生の授業を受けることになったのです。1982年に始まった中曽根政権が「国際国家・日本」を掲げた時代でもあり、国際社会への興味があったのも理由のひとつでした。
授業での高坂先生は当時では珍しくレジュメまで用意するといった真面目で丁寧な授業をされていました。そうでありながらいわゆる雑談や脱線も多かったのですが、これが他の政治学の授業とは違い、文学や文化、人間心理にまで及ぶ幅広いもので、これも高坂先生の授業の大きな魅力でした。国際社会を読み解くうえで、人間を見る・知ることそのものに重きを置いていたのです。