専門出版社である医学書院の名物シリーズ「ケアをひらく」を2000年に創刊し、出版界で知る人ぞ知る存在となっているのは編集者の白石正明氏です。「ケアをひらく」シリーズは現在50冊を超え、その中には新潮ドキュメント賞を受賞した熊谷晋一郎『リハビリの夜』や小林秀雄賞を受賞し、先般、新潮文庫に収められた國分功一郎『中動態の世界』など、数々の名作を生みだしてきました。
その白石氏は医学書院を退職後、今年の4月に『ケアと編集』(岩波書店)を刊行し、話題となっています。
「ケアをひらく」はなぜ始まったのか。シリーズの根幹をなす「ケア」とは何か。「ケア」と「治療」は何が違うのか――。
「自己啓発」ではなく「現状肯定」、「治療」ではなく「ケア」こそが重要だと白石氏は言います。その本質は何か。出版業界ならずとも、学びの多い同シリーズの秘話を白石氏に語ってもらいました。