新型コロナの感染拡大が、2014年以降経済停滞に喘いだ中南米に深刻な打撃を及ぼしたことは、本誌で報告してきたところである。政府に対する信頼感が一段と低下し、反政府デモや政治不安が広がっている。
中でも、「太平洋同盟」を構成してグローバル化への改革を推進し、自由市場経済で成長を牽引してきたはずのチリ、コロンビア、ペルーでの政治不安が際立ち、左派政権への転換が現実のものとなりつつある(「同盟」の一角メキシコでは、すでにポピュリズムへの傾斜の強い新興左派政権が誕生している)。
2000年代に地域で台頭した急進左派政権の潮流を免れてきた国々での、不安定化と左傾化の動きである。……