狡兎死して、走狗烹らる――。兎が死ぬと猟犬も不要になる、つまり敵が滅びたあとは功臣も粛清されるという古代中国の歴史から生まれたことわざは、現代中国にも生きている。
10月2日、共産党中央規律検査委員会が「重大な規律違反や違法行為の疑いがある」ため調査していると発表した傅政華・前司法相がそのいい例だろう。傅氏は習近平党総書記(国家主席)の大敵だった周永康・元政治局常務委員の排除に貢献した「功臣」である。それが一転――。
これは、単なる腐敗・汚職の摘発ではない。中国の政官界にいまなお隠然たる影響力を持つ周氏の「政法(政法委員会)系」勢力を一掃するため、そして習氏が来年の党大会を経て3期目の長期政権を固めるための「畳み掛け」なのである。……