医療・ウェルネス

実は使える新薬は米国の半分、日本の「ドラッグラグ」の根深い原因

2022年5月31日

日本の製薬市場の成長率は、世界を遥かに下回る。医療費抑制のゼロサムゲームが続く中、日本医師会など政治力にモノを言わせる医療界に圧迫される部分があるが、もう一つ憂慮すべきは製薬業界の一部に見られる“お上頼み”体質だ。

 5月12日、日本製薬工業協会(製薬協)が日本経済新聞朝刊に見開き2面を使った全面広告を出した。3月に開催された「第33回製薬協政策セミナー」の紹介だった。「日本発の新薬が花開く未来へ 産学官によるヘルスケアエコシステム加速を」というタイトルで、甘利明・自民党経済安全保障対策本部座長、佐伯耕三・経済産業省商務・サービスグループ生物化学産業課長、岡田安史・製薬協会長ら9人が登壇した。

 この広告をみて、私は強い違和感を抱いた。

 確かに、我が国の製薬業界が置かれた状況は深刻だ。特記すべきは、日本の製薬市場が縮小を続けていることだ。2020年の国内医療用医薬品の市場規模は、前年比2.7%減の10兆3475億円で、2015年と比べて9.0%の減少だった。こんな先進国はない。英調査会社エバリュエートファーマ社によると、同時期に世界の医療用医薬品市場は33%の成長を遂げている。

 だが、医薬品市場が縮小しているのは、薬価を政府が統制しているからだ。……

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