11月11日、暗号資産(仮想通貨)交換業大手「FTXトレーディング」(本社・バハマ)が経営破綻した。世界有数の取引高を誇った企業の破綻は、市場に激震を走らせ、暗号資産の価格は軒並み暴落した。各メディアによると、顧客から集めた資金を関連の会社に融資し、運用していたという杜撰な資金管理の実態が明らかになっている。影響は最大7兆円に上るとされ、暗号資産関連では過去最大級の破綻劇になりそうだ。
2022年に入って「冬の時代」を迎えたと言われる暗号資産だが、そのきっかけは、アメリカの金利引き上げだった。連邦準備制度理事会(FRB)の急激な金利引き上げが、株式などのリスク資産の下落に結び付き、暗号資産の価格も急落した。各国で関連企業の破綻が相次いだことで、売りが売りを呼び、FTXの破綻がそこへ追い打ちをかけた。米コインマーケットキャップによると世界の暗号資産の時価総額は11月下旬時点で110兆円台と、ピークをつけた昨年秋の約3分の1以下にまで落ち込んだ。だが、一方で、各国は、その将来性を自国の成長につなげようと、暗号資産の投資環境の整備を着々と進めている。
非課税で呼び込む「投資家」と「暗号資産関連企業」
ドイツは今年5月、暗号資産の取引に関する所得税の総合的な課税のガイドラインを公表した。暗号資産の取引や送金を承認する「マイニング」や「ステーキング」で得た仮想通貨について、取得から売却までの期間が1年以上の場合は利益の全額が非課税とされた。従来は非課税となるには最大10年間の保有が必要なケースもあった。ドイツでは個人が暗号資産を1年以上保有した場合の売却益は非課税となるため、その範囲を広げた形だ。……