武見敬三氏が厚生労働大臣に就任して間もなく2カ月が経過する。多くの国民は、日本医師会(日医)が推薦してきた議員を岸田文雄総理が抜擢したことに驚き、メディアや野党は不適切な関係を懸命に探している。
10月27日の衆議院予算員会では、立憲民主党の後藤祐一議員が、この問題を取り上げた。後藤議員が問題視したのは、厚労大臣就任後の9月25日、都内で開催された政治資金パーティーで、複数の医療関係者からパーティー券購入などの支援を受けていたことだ。武見氏は「就任前から予定していた」と説明したが、この説明は苦しかった。翌日には全国紙も報じたため、多くの国民は医療界ベッタリの武見大臣という印象を強めたことだろう。
私は、このような論調に違和感を抱く。それは、武見氏は世間が思っているような医療界の族議員ではないからだ。私は、その実態は『フォーサイト』を愛読するような国際政治学者と考えている。国際政治学者が、厚労大臣に就任すれば、一体、どういうことが起こるのだろうか。本稿では、武見厚労大臣に対する私の期待をご紹介したい。
舛添元厚労相との違い
私は武見氏と仕事をしたことがある。新型コロナ流行当初のことだ。自民党の行政改革推進本部長を務めていた塩崎恭久元厚労大臣に頼まれ、提言の作成を手伝った。武見氏は、自民党コロナ対策本部の感染症対策ガバナンス小委員会長で、塩崎氏と協力関係にあった。……