※2023年12月6日開催の講演内容をもとに、編集・再構成を加えてあります
- 【KCS|ROLES特別公開フォーラム】無極化する世界はどこへ行くのか―ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争の行方―(1)
- 【KCS|ROLES特別公開フォーラム】無極化する世界はどこへ行くのか―ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争の行方―(2)
細谷 ここで少しお時間をいただき、おそらく会場の皆さんも持っていらっしゃる疑問を私からお聞きしたいのです。まずは「戦争っていつまでやるの」という疑問です。もちろん、プーチン大統領がウクライナ戦争をいつ終えようと考えているかはプーチンの頭の中を見ないとわかりませんし、見えたとしても戦争終結は一人の人間の判断で決まるものでもありません。ですので、何年何月までということではなく、戦争はいつまで続くかを考える上でのヒントをそれぞれのご専門の立場からお教えください。
ウクライナでの戦争は、少なくともプーチン大統領が当初考えていたはずの数日では終わらず、1年で終わるシナリオもなく、おそらく2年を過ぎさらに長くなっていくのかもしれません。イスラエル・ハマス戦争にしても、少なくとも戦闘が簡単に停止し、“オスロ合意Ⅱ”のようなものが成立して平和が訪れることは考えにくい。それぞれ戦争自体が複雑な状況、現実を新たに生み出しているところもあり、開戦当初よりも理解が困難になっている気もします。ですので、何に注目したらいいかというヒントをいただけたらと思うのです。池内さんどうですか?
対テロ戦争に負けたアメリカ
池内 はい。まず、森さんのお話に大変ヒントをいただいたことをお伝えしたいと思います。多極、あるいは無極という問題、まさに極というものを考える時に、それぞれが見ている地域の特性や、どんな学問分野に依拠しているかによって、物事の捉え方にある種の「癖」が出てくるんですね。こうやって並んで話してみると、そういう「癖」の違いがよく見えてきます。……