政治

2025年、軟弱地盤の国際秩序を揺さぶるトランプ流「戦術的関税政策」

2025年1月1日

世界的選挙イヤーだった2024年を総括するなら「与党・現職の苦戦」がふさわしい。その政治基盤が不安定化している各国に、今年は高関税という難題が待ち受ける。第二次トランプ政権にとって関税とは、自国産業保護ではなく、対中デカップリングでもなく、本質的には「他国の行動様式を変容させる」道具である。このアメリカという巨大な市場を梃子に用いる戦術は、国際秩序にどのようなリスクを生むのだろうか。

 2024年は「選挙イヤー」と呼ばれる、大きな選挙が続いた年であり、また、様々な意味でサプライズの多い選挙結果が出た年でもあった。まずは、主要な選挙を一通りおさらいしておこう。

不安定な結果ばかり生まれた2024年選挙

 1月の台湾総統選挙と立法院選挙では、総統選で民進党の頼清徳が勝利し、同一政党が3期連続で総統職に就くことになったが、立法院では国民党、民進党が共に過半数を取れず、8議席を獲得した民衆党がキャスティングボートを握ることになった。しかし、民衆党の党首である柯文哲は汚職事件で起訴され、係争中であり、有罪となれば民衆党の勢いは失われ、政治は混迷の状態となるだろう。

  • 見えてきた台湾「頼清徳政権」の輪郭、対中・対米政策の基本方針

 

 また、4月に行われた韓国の総選挙では、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の不人気も手伝い、300議席のうち、野党の「共に民主党」が175議席、また進歩系で「共に民主党」から分派した、曺国(チョ・グク)元法相が率いる「祖国革新党」が12議席と、野党が議席の3分の2に迫る勢いとなった。……

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