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2026年、ウクライナ和平の駆け引きと戦況の展望――2027年まで戦争が続く可能性

2025年12月26日


<span>2026年、ウクライナ和平の駆け引きと戦況の展望――2027年まで戦争が続く可能性</span>
スロビャンスク、クラマトルスク、コスチャンティニウカ、ドルジュキーウカなどの諸都市は、南北約50キロにわたってウクライナの「要塞ベルト」を構成している(筆者の分析をもとに編集部作成)

トランプ政権主導の和平調停には実質的な進展がなく、ロシア・ウクライナ双方とも2026年初頭の時点で武器を置く見込みは低い。ウクライナでは「交渉による終結には前向きだが、降伏と受け止められる妥協は拒否する」のが世論の大勢だ。一方で、ロシア側も「軍事力による戦争目的達成」を選択肢から外す姿勢を示さないが、ドネツク州の残る約22%を制圧するにはなお1年半以上を要すると分析される。

出口の見えない和平交渉

 ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月24日)から約4年が経過した現在、戦線は依然としてウクライナ東部を中心に維持され「膠着」と「消耗」が継続している。ウクライナ、ロシア、そして調停者を自任する米国は、この1年余り断続的に和平交渉を重ねてきたが、いまだ妥結点は見いだされていない。

 直近では2025年12月21日まで、米フロリダ州マイアミにおいて、トランプ政権主導による和平仲介の新たなラウンドが開催された。ウクライナ側からは前国防相ルステム・ウメロフ氏ら、ロシア側からはキリル・ドミトリエフ大統領特別代表が参加したが、直接交渉ではなくそれぞれが米国のスティーブ・ウィトコフ特使、ジャレッド・クシュナー氏らと協議したとされる。

 米国側は協議を「生産的かつ建設的」と評価し、「殺戮の停止」「安全の確保」「ウクライナの復興と安定」を共通目標として掲げた。ロシア側も形式的には協議の進展を肯定したものの、ドンバス地方(ドネツク州・ルハンシク州)の扱いを巡っては、ウクライナが領土割譲を受け入れなければ軍事的解決を継続するとの姿勢を崩していない。

 この点について、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は12月20日、「ロシアが占領している地域にはロシアがとどまり、ウクライナが防衛している地域はウクライナが統治することが公平だ」と述べ、現状を前提とした停戦ラインの固定化を示唆した。これは領土の最終帰属問題を先送りしつつ、戦闘停止を優先する現実的立場と理解できる。……

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